十二国記大好きサラリーマン いのりょです(*’ω’*)
今日は、十二国記シリーズ最高傑作と名高い『図南の翼』について紹介したい思います!
十二国記はどの作品も面白いですが、最高傑作と名高い『図南の翼』は私の人生の教科書です。
そんな「図南の翼」大好きな私が、本書の魅力を語って行きたいと思います!
Contents
- あらすじ
- 見どころ
- 「図南の翼」名言集
- 目の前にいる人を見捨てることが酷いことなんだったら、目の前にいる人が将来困ることを承知で何かをねだるのも、同じくらい酷いということになりはしない?
- 助け合う、ってのはお前、最低限のことができる人間同士が集まって、それで初めて意味のあることじゃねぇのかい。(中略)できる人間ができない人間をただ助ける一方なのは、助け合うとは言わねえ。荷物を抱えるってんだ。
- 道っていうのは、平らな道が続いていることじゃないんだわ。そこを行く人が、飢えたり渇いたりしないような、疲れたら休んだりできるような、そういう、周囲の様子ごと道って言うのよね。だから確かに、黄海には道がないのよ。
- せっかく黄朱になったんだから、誇り高く黄朱をやればいいのに。
- 自分の得たい答えを探すために考えるのじゃ、意味がない。
- 常に本音を言わないから、なにが本音か分からないじゃない。
- 嘘をつくときには、言葉を控えめにしたほうが、本当らしい。
- 剛氏の助言を受けて、最初から怠りなく備えをし、剛氏の知識に敬意をもって、その指示には信頼を寄せて従う。
あらすじ

先の王が斃れて27年が経過して、国土は荒れ果て妖魔が人里にまで現れ、人々を殺めている。
豪商の娘として何不自由なく育った朱晶は、 自分が恵まれている環境にいることを学校や使用人を見て自覚しつつ、この現状を変えようとしない大人たちに不満を持っていた。
「大人が行かないのなら、あたしが蓬山(ほうざん)を目指す」と、12歳ながら家の騎獣に跨り、家出同然で麒麟のいる蓬山を目指し昇山する決意をした。
旅の途中で後に大きな後ろ盾となる宗国の皇太子と出会い、街中で騎獣をだまし取られるのをきっかけに「黄海」を渡る知識を持つ頑丘など、強運を発揮して「黄海」を渡る準備を整えていく。
そして、蓬山を目指し黄海を渡る旅をやり遂げるのである。
見どころ
主人公珠晶の成長物語
途中で知り合った大人たちとの衝突は、世間を知らない少女が現実を知って成長していく物語であり、ピュアな魂の反発のドラマである。刺激的なディスカッション・ドラマの趣もあり、優れた小説が常にそうであるようにいろいろな読み方が出来る小説なのだ。
『図南の翼』は主人公朱晶が王になるべく、麒麟がいる蓬山を目指すロードノベルの形式になっています。
命を懸けて人外魔境の地「黄海」を、護衛として雇った黄朱の頑丘と旅人の利公と3人で旅をする。
朱晶は危険な旅をする中で「持っている者は、持たざる者を助けるべき」という子供の理想論から「最低限の事が出来る者同士でなければ助け合うことはできない」という現実的な大人の考え方に、最初は反発しつつも理解を深めていきます。
頑丘や利公、その他の王になるべく昇山する他の大人達と価値観をぶつけ合うディスカッションを行うことで、我々読者も主人公朱晶と同じ目線で旅をすることができます。
育ちが良く利発なお嬢さんだからこその理想論と、生まれながらに親に売られ黄朱のような身分の低い職に就くしかかった頑丘の現実的思考。
この二つがお互いに理解を深めていく様子は痛快という他ありません。
大人と子供の二項対立。大人を超越する珠晶という存在。
世間知らずの子供と、現実を知って身動き出来なくなってしまった大人。
どちらにも言い分があり、どちらも正しいと思います。
しかし、『図南の翼』は、単に子供と大人という二項対立を描いた作品ではありません。
主人公朱晶が大人の言い分を理解しつつ、人間として大切な自分の理想を貫いて実現させるという「大人を超越した存在」として描かれています。
自分には無理だ。自分の分を知っている。そんな言い訳をしがちな我々大人に、人としてありたい姿を12歳の朱晶は見せてくれます。
「図南の翼」名言集

目の前にいる人を見捨てることが酷いことなんだったら、目の前にいる人が将来困ることを承知で何かをねだるのも、同じくらい酷いということになりはしない?
「奢ってくれ」と言う全ての人に、この言葉を送ります(笑)
お金っていくらあっても困らないですし、今はあっても将来何かしらで失ったり今よりも価値がないものになってしまうかもしれません。
お金やお金は、その人やその人の大切な人にとって命と同義です。ねだる前に、自分がどうして不足している状況になったかを反省して行動しましょう(自戒)
助け合う、ってのはお前、最低限のことができる人間同士が集まって、それで初めて意味のあることじゃねぇのかい。(中略)できる人間ができない人間をただ助ける一方なのは、助け合うとは言わねえ。荷物を抱えるってんだ。
グサッとくる名言です(笑)
「助け合いの精神」は大切ですが、世の中の「助け合い」は出来ない人間を出来る人間が荷物として抱えている状況が多いと思います。
チームや仕事でも、最低限のことが出来ない人間がいるとそれだけで進度が遅くなります。自分が最低限に物事を出来る人間になって、同じように最低限のことができる人とチームを組めるようになりたいですね(‘ω’)
道っていうのは、平らな道が続いていることじゃないんだわ。そこを行く人が、飢えたり渇いたりしないような、疲れたら休んだりできるような、そういう、周囲の様子ごと道って言うのよね。だから確かに、黄海には道がないのよ。
道を作ると簡単に言いますが、単に道路があればいいというわけではありません。
道は、目的地があって初めて意味を成します。その道を歩く後の人がきちんと歩いて行けるように整えるのが、後の世代に対しての責任なのだと思います。
せっかく黄朱になったんだから、誇り高く黄朱をやればいいのに。
職業に貴賤はないと言いますが、生まれによって選べる職業や行ける学校が制限されるのは事実です。作中で黄朱は、親に捨てられた子供が仕方なくなる低位の職業ですが、それに対しての珠晶の言葉です。
なるべくしてなった、ならざるを得なかった自身の境遇に対して、誇りを持って生きることが大切なことに気づかされます。
自分の得たい答えを探すために考えるのじゃ、意味がない。
相手のことを考えたり理解しようとする時、悪気がなくても自分の枠の中で相手を考えてしまいがちです。
「こうに違いない」「相手もここが悪い」なんて、一人で考えても意味はありません。しっかりと相手に向かいあって、話すことが大切です。
常に本音を言わないから、なにが本音か分からないじゃない。
グサッとくる人が多いのではないでしょうか。
見栄を張ったり、分かって欲しいけど理解されたくない。言っても理解されないという諦め。皆さん、家族や友人に対しては、きちんと本音や気持ちは言葉にしましょう!
本音を言わないといざというとき、信じて貰えませんよ!
嘘をつくときには、言葉を控えめにしたほうが、本当らしい。
浮気がバレたとき、この言葉を思い出して下さい(笑)
剛氏の助言を受けて、最初から怠りなく備えをし、剛氏の知識に敬意をもって、その指示には信頼を寄せて従う。
プロに頼む時、忘れてはいけない言葉です。
「お客様は神様」ではなく、プロとクライアントは対等な立場であり、お金を媒介にしてプロの時間と経験や知識を買っているのです。
私自身、たまに横柄になってしまうので、反省としてこの言葉を選びました。
以上、【十二国記】「図南の翼」レビュー!でした。
読んで絶対に後悔しない本なので、ブックオフやメルカリ、ブクマで中古で安く買えると思うので是非一度読んでください!絶対に読んで後悔させない面白さです(^^♪
十二国記はシリーズ物ですが、『図南の翼』だけでも十分楽しむことができます。最高傑作と名高い『図南の翼』を読んで見て下さい。絶対にハマります*’ω’*)
